銀の竜の背に乗って ー 中島美雪

あのあおざめたうみ彼方かなた

いままさにだれかがいたんでいる

まだべないひなたちみたいに

ぼくはこの非力ひりきなげいている

いそかなしみ つばさわれ

いそ傷跡きずあと 羅針盤らしんばんになれ

まだべないひなたちみたいに

ぼくはこの非力ひりきなげいている

ゆめむかえにてくれるまで

ふるえてってるだけだった昨日きのう

明日あした ぼくりゅう足元あしもとがけのぼ

ぶよ 「さあ こうぜ」

ぎんりゅうって

とどけにこう いのち砂漠さばく

ぎんりゅうって

はこんでこう 雨雲あまぐもうず

うしなうものさえうしなってなお

ひとはまだだれかのゆびにすがる

やわらかな皮膚ひふしかない理由わけ

ひとひといたみをくためだ

いそかなしみ つばさわれ

いそ傷跡きずあと 羅針盤らしんばんになれ

まだべないひなたちみたいに

ぼくはこの非力ひりきなげいている

わたボコリみたいなつばさでも

みたいなたよりないつめでも

明日あした ぼくりゅう足元あしもとがけのぼ

ぶよ 「さあ こうぜ」

ぎんりゅうって

とどけにこう いのち砂漠さばく

ぎんりゅうって

はこんでこう 雨雲あまぐもうず

ぎんりゅうって

はこんでこう 雨雲あまぐもうず

ぎんりゅうって

ぎんりゅうって

ぎんりゅうって

ぎんりゅうって

ぎんりゅうって

ぎんりゅうって